スポーツ外傷

骨折

大きな外力や疲労により骨が完全に折れたり、ヒビが入ったりすること。
骨がポッキリと折れたときには見た目にもわかりやすいので、すぐに骨折だと判断がつきますが、ヒビや疲労性の骨折の場合には、見た目からは分かりづらいため、骨折後しばらくしてから来院される方もいます。

特に子供の場合、大人の骨に比べて柔らかいため、骨がポッキリ折れるのではなく、ただ曲がってしまうような骨折になることが多くあります。 痛みや腫れが少ないので、骨折に気付かず数日放置してから来院されることもあります。「若木骨折(わかぎこっせつ)」と言います。

※治療が遅れることで、骨が正常でない状態でくっついてしまうこともありますので、骨折の可能性がある場合はお早めにご来院ください。

脱臼

関節を構成している骨が、その一方の骨の関節端が間接包をやぶり逸脱してしまうこと。
スポーツによる脱臼は 「肩関節」 の脱臼が多くみられます。 脱臼が原因で骨折をしてしまうこともしばしばありますので、患部の固定など応急処置後に近隣の病院または接骨院にて治療を受けてください。

乳児から幼児に起こりやすいのが肘の脱臼 (肘内障) です。
子供の手を引っぱったり、布団で寝がえりをうったりして脱臼することが多く、手を動かさなくなったり使わなくなった場合は注意が必要です。
肘内障であれば、その場ですぐに整復(治療)ができます。 整復(治療)してしまえば手を使うようになり、固定する必要もありません。

捻挫

関節部の損傷 (間接包の損傷、靱帯の部分断裂・完全断裂)。
ただの捻挫と思い治療を怠ると、なかなか回復せず、痛みが取れないこともあります。重度の捻挫の場合は、骨折よりも治療が長引くこともあります。

挫傷(肉離れ)

ダッシュ、ストップ、ターンなどの急な動作での損傷。
軽度の挫傷(肉離れ)の場合は、筋肉を包む筋膜の損傷だけですが 、重度の挫傷(肉離れ)の場合は、筋肉の断裂や筋肉がへこむものまであります。

※治療を怠ると再発の可能性が高くなるので、しっかりとした治療が必要です。

打撲

筋肉や関節などを物などに直接ぶつけて損傷すること (転倒や接触など)。

前十字靱帯断裂

ジャンプの着地、方向転換、急停止など 「非接触型」 の損傷や、ラグビーなどで膝の外側からタックルを受けて起こる 「接触型」 の損傷があります。
断裂した靱帯は自然治癒することはほとんどなく、競技レベルのスポーツ復帰を目指す場合には手術(観血療法)が望ましいです。
また活動性が低く、日常生活やレクリエーション程度のスポーツであれば手術をしない「保存療法」の場合もあります。
手術後は、関節拘縞や筋力低下が起こるため、リハビリが必要となります。

当院では、まず日常生活動作の回復を目指し、物理療法や運動療法を行い、スポーツ復帰へのアドバイスもいたします。

アキレス腱断裂

アキレス腱を急激に伸ばす力や、ふくらはぎの筋肉の強い自動収縮により断裂したりする。
20代後半から 40代にかけてのスポーツ外傷としての頻度が高く、断裂時には周囲に断裂の音が聞こえるほどです。
しかし、痛みが少ないため、断裂した本人は 「後ろから蹴られたボールが自分の足に当たった」 と思うことが多いようです。
アキレス腱の断裂後も歩行は可能ですが、「つま先立ち」 ができないのが特徴です。
最近では、手術をしないで 「保存療法」 がとられることもあります。

断裂後の治療では、ギブスや装具をつける期間が長いため、筋委縮が起こり足関節の可動域が減少するため、リハビリが必要です。

つき指

球技などでボールが指先にあたり負傷する。
靱帯損傷から腱断裂、脱臼、骨折になるものなど、怪我の度合いは様々です。 安易にひっぱったりすると悪化の原因になるので、気を付けてください。

TFCC損傷

手の関節の小指側のTFCCという軟骨の損傷。
転倒して手をついたり、手をねじったりして負傷することが多く、手首を上にそらしたり、ねじったりすると痛みが出るのが特徴です。

半月板損傷

膝をひねったりすることで、膝の関節の間にある軟骨(半月板)を損傷すること。
膝の腫れ、ひっかかり感、膝くずれ(突然力が抜ける)、膝が伸びない などの症状があります。